発酵漬物

乳酸菌を利用した漬物

乳酸菌液の作り方

1.圧力鍋で滅菌します。

 培地や竹串、水などを滅菌します。竹串などはアルミフォイルで包んで、120℃、20分間の水蒸気加熱を行います。乳酸菌の培地としてキャベツの煮汁が使えます。分離用培地にする場合は煮汁の1.5%分の粉末寒天を加えておきます。

 

2.乳酸菌分離用のサンプルと希釈法

 酸っぱくなった浅漬け、韓国直輸入のキムチ、糠床などから乳酸菌の分離ができます。このようなサンプルには乳酸菌が1gあたり数億個入っていますので、100万倍か1,000万倍の希釈をします。サンプル1gを測り取り、99gのきれいな水(水道水、ミネラルウオーターまたは滅菌水)を加えて100倍希釈とします。100倍希釈水1gまたは1mlを測り取り99gの水を加えます(1万倍希釈)。1万倍希釈水1gまたは1mlを測り取り99gの水を加えます(100万倍希釈)。さらに10倍希釈すると1,000万倍希釈になります。

 

3.分離用培地と滅菌シャーレでの培養

  分離用培地は寒天を加えたキャベツ煮汁を使います。溶けている培地に少量の粉末炭酸カルシウムを加えて白濁させます。炭酸カルシウムに雑菌が多い場合はオーブンで160℃、30分間の加熱殺菌をします。

 滅菌シャーレに100万希釈液と1,000万倍希釈液の1mlを各々入れます。炭酸カルシウム添加キャベツ煮汁培地が手で持てる程度に冷めたら希釈サンプルを入れたシャーレに加えて、ゆっくりと動かして混ぜて、静置し、固まるのを待ちます。完全に凝固したら25℃前後の保温箱に入れて培養します。培養開始後2~5日以内に炭酸カルシウムを溶かしてクリアーゾーンを伴った乳酸菌のコロニーが見えるようになります。

 

4.乳酸菌の単離と乳酸菌液作り

 滅菌しておいた竹串を使って滅菌キャベツ煮汁に接種します。室温で2,3日培養すれば乳酸菌液の完成です。乳酸菌液1mlには数億個の乳酸菌が入っていて、雑菌は入っていません。使うまで冷蔵保存します。

 

 キムチや糠床などの分離源や同じ浅漬けでも発酵期間によって性質の異なる乳酸菌を取ることができます。

   直輸入キムチの乳酸菌         発酵期間の少ない浅漬けの乳酸菌

 

発酵漬物作りには15℃で早く増える乳酸菌を使います

 

次回はザワークラウトの作り方を紹介します。